LA VITA SINGAPORE

父の死と、最後の奇跡

父の死と、最後の奇跡

私は、シンガポール登録の心理カウンセラーで、日本人・ローカルのクライアント対象に心理カウンセリング・セッションを行っています。これは、心の癒し、そして「表の顔」。

また、「スピリチュアリスト」でもあり、スピリチュアリズムに基づく人生哲学(フィロソフィー)をお伝えする活動をしています。魂の癒し、そして「裏の顔」。 その一環として、ミディアムシップ(霊媒)で亡くなった方のメッセージをお伝えしたり、ヒーリングをしたりしています。 「スピリチュアル」と名がつくと、怪しいとか禍々しいとか、いろんな偏見を持たれる唯物論者の方も多いので、「表の顔」の活動時は、一切「裏の顔」は出していません。

実は、心の癒しと魂の癒しはつながっているのですが、それを理解してくださる方は今は少ないのでわけてお伝えしています。

「裏の顔」・・・この活動で大切なのは、「肉体が滅んでも、魂は生きている」ということなのです。

えーーーー?って思う方、いらっしゃいますよね。

スピリチュアリストとしては、死、そして死後の世界、については、語らないと始まりません。それは、死する前の「今現在の生き方」を左右するから。

今からお話しするのは、私の父の死の話。実話、私の体験談。

父の死は、その後も、父と母の時間を止めません。
むしろ、今もまだなお、時は前へ進みます。

最後まで読んでいただけると幸いです。

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昨年末、緊急で一時帰国しました。
その時行ったスピリチュアル・ヒーリングにより、父は想像以上の回復を見せてくれ、一時的とはいえ、神の奇跡を感じました。

流石に17年前に脳梗塞に伴い、失語症(脳の言語中枢をやられ、コミュニケーションが取れない)となった父とのコミュニケーションは、大変なものでした。
右手で遠くを指さしたら、シンガポールにいる私を意味し、近くを指さしたら、品川にいる妹、そしてもっと近くを指差すと、近所のスーパー、と、その解釈は母にしかできません。

父に、その余生を気分よく過ごしてもらおうと、毎日手作りのご飯を用意し、それを17年間実行した母は、もう、神です。

そうはいっても、17年も投薬を続け、ほぼ寝たきり状態となると、身体にガタがくるのは当然。そんな中での、昨年末の父の頑張り、奇跡、に、私たちは希望を持ったものでした。

詳しくは、

2018年クリスマスの奇跡:父への祈り(1)

2018年クリスマスの奇跡:父への祈り (2)

2018年クリスマスの奇跡:父への祈り (3・終)


をご覧ください。

身体の機能は、否が応でも衰えていきます。
いくら奇跡が起きて、一時的に若干身体が動くようになっても、死というものは避けられません。

2月中旬、父は誤飲性の肺炎を起こしました。もう、飲み込む力も、タンを吐き出す力もありません。母があれだけ力を入れていた食事を摂ることが出来なくなり、完全に寝たきりになってしまいました。

入院を勧められましたが、母は最後まで自宅での介護にこだわり、父は点滴に少量の栄養を加えて、2週間過ごしました。これ以上点滴を続けると、心臓に負担がかかりすぎると言われ、3月上旬、その点滴も辞めました。

私は覚悟を決め、3月の上旬に帰国を予定しましたが、母にそのことを告げると、もう少し待って、と待機要請が。パパは、もう少し大丈夫そうだから、と。私のシンガポールでの仕事を心配してくれていたようで、私はその時点で入っていた仕事をできるだけ片付け、その日、を待ちました。

その間、父は、飲まず食わず。

そして、3月5日(火)夜、母から、なるべくすぐ帰ってきて、との連絡があり、7日(木)夜便で帰国しました。

8日(金)朝8時半に自宅に到着した時の父は、もう意識はほぼなく、非常に荒い呼吸をしていました。私が話しかけたら、目を若干動かすのみ。でも、どうやら認識はしてくれていたようです。

その直後から、高熱が出ました。約39度。看護師さんも、その容態の変化に驚きを描く冴えませんでした。10日以上、飲まず食わずで干からびかけているのに、どうしてそんなにエネルギーが出るものなのか。

夕方ごろ、荒かった呼吸が静まり、そして呼吸と呼吸の間に、心臓が止まるような間が空き、そして、数時間後、最後は静かに、父は息を引き取りました。

大きく息をし、その後、まるで眠るかのように。

私は、何度も何度も父を起こそうとしました。今にも目覚めそうな、静かな最後。

今思うと、とても美しい、最後でした。

在宅介護の看護師さんにすぐに来ていただき、死化粧をしていただいた後、母は父の遺品の腕時計を持ってきました。

「これ、パパのお気に入りの時計。1年以上前に止まっちゃって、電池変えても動かなくって。スイスにオーバーホールに出さないとダメだって言われて、放っておいたのだけど、遺骨と一緒に埋葬する?」

渡された時計を見て、私は言いました。

「あれ? ママ、この時計、動いてるけど?」

動いていたのです。
その時の母の驚きようったら。

時計屋さんに匙を投げられた腕時計が、また時を刻み始めました。
それも、父の亡くなった、そのすぐ後に。
オーバーホールが必要と言われ、一年以上放って置かれた腕時計。

これは、父の起こした、この地上での、最後の奇跡。

父は肉体をなくしましたが、別の世界での新たな生活が始まった、
霊としての生活が始まった、

そう私たちは解釈をしました。

肉体は死して、今や灰となりましたが、父は、また新たに時を刻み始めました。
父と新たな人生、霊性のステージの始まり。
肉体をなくしてもなお、生きているという証拠。

父の腕時計は、いまだに順調に正確に、時を刻んでいます。
それは、母に、新たに生きる希望を与えています。
父は生きている、霊になっても生きている、と。まるでそれを伝えているかのように。

この腕時計は、次にいつ止まるかわかりませんが、
少なくとも、母が生きている間は時を刻み続けて欲しい、
今はそう願っています。

About The Author

Hitomi Sano
La Vita Counselling & Spiritual Care代表
佐野 仁美 | Hitomi Sano

心理カウンセラー・サイコセラピスト
バッチ財団登録 プラクティショナー(BFRP)
スピリチュアリスト・ミディアム&ヒーリング・ミディアム
通訳・翻訳(金融、企業法務、心理カウンセリング、スピリチュアル全般)
英国Supiritualists’ National Union (SNU) 正会員, SNU Trainee Healer

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