シンガポールのソーシャル・サポート

こんばんは、ひとみーなです。

煌びやかな一面がフィーチャーされやすいシンガポールですが、そうじゃない庶民生活も、もちろんあります。

昨日は、インターンでお世話になったNuLife Care & Counselling Servicesでのお仕事。

NuLife は、インド系シンガポーリアンのCEOがマネージするVoluntary Welfare Organization (VWO) として、Ministry of Social & Family Development (MSF) （日本の厚生労働省みたいなもの）の傘下のNational Council of Social Service (NCSS) の管理のもと、運営されています。

インターン終了後も、私はNuLifeのコミッティ・メンバーとしてお手伝いさせてもらっています。

VWOは毎年監査が入るので、昨日はその準備として、稼働クライアントのファイルとシステム上のデータの擦り合わせ。すべてのクライアントのデータを確認しました。

NuLifeのクライアントの約７割はインド系、そしてマレー系、中華系で、ほぼ低所得者層。ほぼ女性。サービスの内容は、もちろん、カウンセリングもありますが、ソーシャル・サービスも並行して行われます。

相談内容はいろいろですが、金銭的問題も多いです。離婚してシングルマザーになってどうやって暮らしていこう、どうやって子供の養育をするのか、住居はどうするか、元配偶者の作った借金をどう返済するか。そういう人には、地域のFamily Support Centre（NCSS傘下）のソーシャル・ワーカーと、その人の所属する教会、モスク、人種別サポートシステムが、相談にのったり面倒を見たりするのですが、彼らが忙しくて手が回らないときは、NuLifeは代わりに学校、官庁、裁判所と交渉し、顧客の心理的サポートに加えて、ソーシャル・サポートをします。

シンガポールの国民は、住居のない人には、Housing Development Board (HDB) から超低価格でアパートを借りることができます（場所はあまり選べませんけど ）。子供の教育費については、学校やMinistry of Education (MOE) や他の福祉団体から、教科書代、通学バス代、制服代、日々のお小遣いのある程度がサポートされます。仕事がない場合は、FSCがその就職活動のお手伝いをしてくれます。身体的・精神的疾患で職に就けない場合は、そのサポートもあります。少なからずドメスティック・ヴァイオレンス（DV）のケースもあり、警察と連動して、FSCは家族を保護施設に収容するケースも。

シンガポールは、意外と福祉的に充実しているように感じています、今の所。

公的機関のサポートがうまく得られない場合は、NuLife の出番です。

緊急性があり、FSC等の動きを待っていられない場合は、直接学校や監督官庁等にコンタクトを取り、案件を進めます。また、離婚裁判のケースや遺産相続、破産手続きについても、主導して進めることが多々あります。

これらのクライアントは、気持ちのケアももちろん必要。我々カウンセラー（インターンを含む）がその部分を担当します。

もちろん、普通のカウンセリングのクライアントもいます。料金もとっています。
でもNuLifeは、そういった低所得者層の困っている人たちに、ほぼ無償でサービスを提供しています。

いろんな意味で、すごいなと、毎回感心しています。
NuLifeのCEOの、誰かの助けになりたい、問題を解決したい、というパワー。その純粋なパワーに、私はあやかりたい。
今は、自分のことで手いっぱいですが、将来、そんなに遠くない将来、私も何かできたら。そんな気持ちで、NuLifeのお手伝いをしています。

NuLifeは、7月末、シンポジウムを行います。今年のテーマは、「自殺」。実は、意外にあるんです、シンガポールでも、自殺が。期日が近くなったらまたおしらせします。興味がある方がいらっしゃったら、ぜひ。残念ながら日本人のEP・DP・PRに対しても同様なサービスができるかわかりませんが、NuLifeの活動に賛同していただけるようであれば、寄付も、ぜひ。

では、素敵な週末をお過ごしくださいね。