思考のクセ⑧:結論への飛躍(Jumping to Conclusion)
こんばんは、ひとみーなです。
思考のクセはいくつあるでしょう。
認知行動療法を創始者アーロン・ベック博士のもとで認知の歪みをまとめたデビッド・バーンズ氏は、これを15種類に類型化しました。日本の心理学者やカウンセラーは、おおよそ10種類から13種類にまとめているようです。でも、これが全てではないでしょう。あくまでも代表的なパターンだと思ってくださっていいと思います。
これで全部覚えなければならないのか、という質問をいただきましたが、普通の生活をしているようでしたらその必要はないでしょう。気になったら、調べてみてくださいね。
今回は、心配症の人にありがちなクセをご紹介します。
>思考のクセ その6「結論への飛躍」(Jumping to Conclusion)
<どんな人?>
心配症の人は、一体何を心配するのでしょう。
人が自分をどう思っているか、心配する方いますね。例えば・・・
・奥さんが昨日から口を聞いてくれない。きっと自分が何かよくないことを言ったからだし、もう離婚を決めてしまっているかもしれない
・友達が私と目を合わせてくれない。きっと影で私の悪口を言っているに違いない
また、きっと将来悪いことが起きると心配する方いますね。例えば・・・
・彼氏と別れてしまった。私には一生幸せは来ないだろう
・新しい会社に入ったところで、きっとまた人間関係、うまくいかないにきまってる
この2通りのパターン、お分かりでしょうか。
全て「取り越し苦労」です。
そうです、自分で勝手に結論をつけてしまっているのです。
奥さんが昨日から口を聞いてくれないことの理由を確認しましたか?確かに喧嘩をすると口を聞くのも嫌になるという方もいますが、離婚を真剣に考えているでしょうか。それは、ご自身が自分の頭の中で作った結論の飛躍。
友達が目を合わせてくれないにはきっと理由はあるでしょう。でもその人が自分の悪口を言いまわっているという「証拠」「確証」はありますか?自分の頭の中での想像ではないでしょうか?
彼氏と別れてしまったのは仕方がないとして、どうしてそれが自分の将来不幸になるという結果に結びつくのでしょう。きっともっと良い彼氏ができるかもしれません。
新しい会社に入って、新しい上司・同僚をみてみなければ、うまくいくいかないはわからないではないですか。どうしてうまくいかないって決めつけてしまうのでしょう。
現実に起きたことと、自分の考える将来を結びつける、根拠が乏しいと思いませんか?
<この考えが感情に与える影響は?>
このタイプの方は、そういった思考のクセに陥り、将来の自分を悲観し、暗くなり、自分を責め、希望を失い、やる気を失い、絶望し、負のスパイラルに入っていってしまいます。
頑張ろう、やり直そう、そういう気持ちを自ら削いでしまっているのです。
自分の根拠のない心配性・取り越し苦労が、そういった負の感情を自ら作ってしまっているのです。
どうしてこのような思考のクセができてしまったのでしょう。
ひょっとしたら、過去の数回の経験から、自分のパターンを自分で作ってしまっているかもしれません。
そしてその中に自分を当てはめ、今後も悪いことが起き続ける、未来に希望が持てないと、自分で自分に言い聞かせているのかもしれません。
全ては自分の思考の中で起きていること。
<どうやって解消する?>
確かに、人からよく思われなかったりあまり良くない状況になった経験は、誰でも一度や二度はあるでしょう。でもこれだけは言えます、いつもそうとは限りません。状況は毎回違います。
結論づける前に、確認するクセをつけてみませんか?
確かに、自分を嫌っている人、嫌っているかもしれない人と対峙するのは勇気がいることです。
でも、確かめずに自分の頭の中で良くない結末や将来を考えてネガティブな感情の中にどっぷり入ってしまうより、まだマシです。
君のこういうところがいけない、ああいうところが嫌いだ、
そんなことを聞くと、かえってショックを受けてしまう方もいるでしょう。
でもそうはっきり言ってもらえたら、どれだけありがたいか。
なぜなら、
自分の悪いところを変えるチャンスかもしれないからです。
相手と自分の考えが違うと確認できるチャンスかもしれないからです。
ああ、私はこういうところがダメだったのね、と反省し、そんパターンから抜け出す努力をすることができるかもしれません。
ああ、あの人は私と考え方が違うから、合わなくて当然だわ、そう思えたらその人との距離感を変えることができるかもしれません。
今の気持ちを癒すため、また明日の、未来の自分が前向きに頑張れるように、
思考のクセをなおす「行動」をとってみましょう。
またネガティブなことしか考えられない自分を発見したら、そして家族や友人に指摘されたら、何か自分のOKな部分を探してください。
そして、感情がマイナスに動いたら、まずは深呼吸。
ここでご紹介しているのは、思考のクセの代表的な形態です。
思考のクセ自体、単独では存在しませんし、人それぞれ生まれ育ちも現在の環境も違うでしょう。
心を健康に保つということは、身体の健康にも自分の魂の健康にも直結します。
この情報が皆様の心の癒しのお手伝いとなりますよう。